支出のコントロール

 

 

借金地獄から脱出するためには支出をコントロールしなければなりません。

 

収入を増やすことも大事ですが、実際には支出を減らすほうが簡単に行える場合が多いです。しかも支出をコント―ロールしないで、収入を増やそうとしても不必要な労力を費やすことになってしまいます。

 

例えば、車のガソリンタンクに穴が開いてガソリンタンクからガソリンが漏れ出したら、まずやるべき措置はガソリンを入れることではなく、穴を塞ぐことです。車のエンジンによる正常なガソリン消費は抑えられませんが、タンクの穴を塞ぐことによってガソリンの異常な流出を止めなければなりません。

 

同じように生活してゆくために必要な支出は抑えられないかもしれませんし、抑えるべきでもないと思いますが、異常に生じている出費があるならばそれを止める、あるいは減少させることによって経済的な問題の改善を図ることができます。

 

実際、無駄な支出を抑えるだけで現在の収入はそのままでもある程度の余力を得ることができるかもしれないのです。

 

車のガソリンの場合、エンジンの駆動のための燃料は必ず必要なものです。ガソリンを消費しないためにエンジンをかけないとかですと、そもそも車としての機能を果たしていないことになります。

 

ですから車を使用するためにエンジンをかけることは必要ですし、そのためにガソリンを消費することも当然あります。

 

でも、よく考えないと通常の車の使用においてもガソリンを無駄に使ってしまうということはよくあることです。

 

例えば、停車中もエンジンをアイドリング状態にしているとか、無駄に空ぶかしするとか、急発進によってアクセルを無駄によく踏むとか、目的地までの経路も無駄に回り道したり、燃費の悪い走行ルートであったりなどです。

 

同じように生きてゆくためには必ず支出は必要であり、一切の支出を止めることはできません。
生活するために、家賃や光熱費、食費、衣料品費は必ず必要になることでしょう。

 

それらを削るならもっと少ない収入でも生きてゆけるように思えるかもしれませんが、そのような無理な削減で健康を損ねるなら後々余分の出費や取り返しがつかない損失を被る可能性もあり得ます。

 

ですから生きてゆくために必要不可欠なものを得るための費用を削ることはできません。

 

でも生きてゆくために必要な事柄でも無駄に浪費するということはあり得ます。

 

例えば、家賃が収入に見合ってないほど高額であるとか、無駄に電気や水道を消費しているとか、食品も大量に購入して冷蔵庫で消費されないまま腐ってゆくといったことが生じているならそれらを見直すことによって支出をコントロールできるでしょう。

 

 

そのようにして生きてゆくために必ず必要である事柄に関しても支出を最適化してできるだけ支出を抑えることができるのです。

 

また、生活しているなら生きてゆくために絶対必要な支出だけではなくそれ以外にもいろいろな支出が生じるものです。

 

例えば、車や携帯電話などは生きてゆくために絶対必要というわけではありません。でも多くの家庭にとってそれらは必需品となっています。さらに、税金や、保険も生きてゆくために絶対必要というわけではありませんが、国民の義務として、また不測の事態に対処するための予防手段として必要な支出といえます。その他にもスキルアップのための学習費、娯楽などのための費用も絶対に生きてゆくために必要というわけではありませんが、多くの家庭にとって必要な出費の中に含められているでしょう。

 

それ以外に、出来れば避けたい支出というものも生活の中では生じるものです。ギャンブルやかけ事のために支出することは多くの人の価値観では無駄な支出といえます。じっさいギャンブルやかけ事はお金を儲けることはできません。一時的に利益を得ることができてもその利益を後に一瞬に失い、それ以上の損失を被ることもあるのです。

 

娯楽の一つとしてそれらを楽しむ人もいますが、数ある娯楽の中からあえてギャンブルやかけ事を選ぶリスクを考えるのは大切です。

 

更に、健康に有害であることが知られている嗜好物をたしなむことも出来れば避けたい支出といえるかもしれません。過度の飲酒や、喫煙などがそれに当てはまります。

 

それらを定期的に入手するためには月当たりかなりの金額になることが多くあります。それに、健康も害し、依存性が高いといったことを考えると借金地獄から脱出することを真面目に考えている人にとってはぜひとも避けたい楽しみといえるかもしれません。

 

このように支出は0にすることはできませんが、本当に必要なものに支出を絞り、必要な支出にも浪費にならないような制限を設けることや、無駄なものは思い切ってカットするなどの対策を講じることによって支出をコントロールしてゆけるでしょう。

 

 

 

 

現在の支出を分類する

 

 

上記の点を踏まえ、支出に関しては大きく、以下の3つに分けて考えるようにするとコントロールしやすくなるかもしれません。

 

 

1、生きてゆくために本当に必要最低限のもの

 

 

2、生きてゆくために不可欠ではないものの重要なもの

 

 

3、生きてゆくために必要ではないが、欲しいもの

 

 

 

 

わたしたちの日常生活にはこれらの3つが支出として混在しているものです。

 

ですから自分の日常生活を振り返り、支出をこれら3つに分類することをお勧めします。

 

極論ですが、私たちが生きてゆくために絶対に必要なのは1、だけです。1、以外は生きてゆくために必要ではないのです。

 

ですからお金がなく支払いが滞るなら3、から順番に優先順位の低い出費を削減してゆくことができます。そうしてもあなたは死ぬことはないでしょう。

 

もちろん2、や3、がないと十分な社会生活を楽しむことはできません。でももし現在借金地獄にあり、そこから抜け出すことを真剣に願っているなら現在の支出は絶対に見直さなければならないのです。

 

ガソリンタンクの穴を塞ぎガソリンの流出を止め、運転の仕方を見直すことによってガソリンの節約をするのと同じです。

 

そうすることによって限りある燃料で、目的地まで安全にたどり着くことができるのです。

 

 

価値基準の共有をする

 

 

また、この支出に関する判断は個々の価値観が大きく影響するということを覚えておくのも重要です。

 

あなたが不要だと考えるものも、ある人にとっては必要だと感じるものもありますし、家族の一人一人も価値観の違いというものがあります。

 

ですから支出に関するこの3つの分類をするときは関係する人がよく意思の疎通を図ることは大切でしょう。

 

関係する人が同じ基準で取り組むなら借金地獄からの脱出を成功させることができるでしょう。

 

また、価値基準に関して意見の相違が生じることもあるかもしれません。また、個人であっても一般的に価値のないと思われている物事へのこだわりが捨てられないという方もいらっしゃることでしょう。

 

どのように価値基準の一致を図れるでしょうか?

 

まずあなたが本物の価値基準を持つことです。

 

実際、現代社会は物があふれ、システムも複雑化していますのでよくわからなくなっていますが、生きてゆくために本当に必要なものはごく限られたものだけです。それらを得るだけであればそれほどお金は必要ではないはずです。

 

ですが今の世の中ではそれ以上のものにお金が必要になり、また私たちの物欲が刺激されそれほど必要ではないものを欲したりするようになってしまっているので。

 

ですからいつも何かを購入しようとする場合、それは本当に必要(Need)か?それともただ欲しい(want)のか?

 

をよく考えるようにいたしましょう。

 

そして例え必要であったとしてもその必要性の優先度が高いのか低いのかを判断することによって本当に必要なものに資金を用いることができる価値観を身に着けることができるでしょう。

 

そしてあなたがそのような価値観を身に着けたならそれを関係者とよく話し合って価値観の共有を行うようにいたしましょう。

 

 

 

 

収入に見合った支出を判断する

 

 

さらに、支出を3つに分類し、不要な支出を抑えてゆく判断をする際にカギとなるのが現在の収入です。

 

月々の収入と、年収、そして長期的に今現在の収入が今後も見込めるかなどを把握することによって支出をどの程度制限すべきかが見えてきます。

 

もし支出が収入をわずかに超えているだけであるなら、支出の3番目の分野をいくらか削るだけで余剰を生む出すことができるでしょう。借金を早期に返済するためにどの程度余剰を生み出す必要があるか考えてゆくことができるでしょう。

 

また支出が収入を大きく超えるような場合、それがどの程度かにもよりますが、支出の3番目の分野や2番目の分野から支出を削減してゆく必要があります。

 

2番目の分野から削減するのはなかなか難しい場合もありますし、内容によっては削減しないほうが良い場合もあります。例えば健康保険を解約して後に病気になるなら一層の負債を抱える可能性もあります。また、スキルアップの学習費は現時点では利益を生み出していませんが後に利益を生み出す手段になる可能性もあります。

 

ですから近視眼的にならず、長期的かつ全体的に物事を見ることによって支出をコントロールしてゆきましょう。

 

このように借金地獄から抜け出すためにまず現在の支出を見直し、借金返済を続けつつも余剰額を生み出すほどに支出を抑制できるか考えることが重要なのです。

 

 

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